サイクルスポーツ presents CX最速店長&社長選手権
勝てました!
動画はこちら。
思い起こせば1年前。
このレースの企画が立ち上がった際に「まさに自分が狙うべきレース」と喜びましたが、コロナで2回延期になって、今回、はれて走る機会を頂けました。
特に、昨年春に初めてロードの店長選手権に出たのですが、高岡さんに勝てるとはさすがに思ってなかったけど、何か爪痕の一つでも残したいと思って臨んだのに、序盤の登りで置いて行かれて完走すらできなかったので、得意分野で前回リタイアのリベンジもしたいところ。
稲城クロスは自分にとっては地元のレース。
関東のカテ1レースで現在無双状態の加藤ケンゴも、茨城クロスは毎回運営を手伝っていて、自分も稲城クロスに関しては可能な限りボランティアを手伝わせて頂いています。今回はレースに集中するために当日運営はお休みし、前日設営をお手伝いしましたが、自分が全てを掛けるレースの準備に関われるのはとても意義深いことだなと。。。
そして、地元なので試走もし放題。
直近の1ヶ月で集中的に走り込んでコースは完璧に覚え、とにかく勝ちたいレースなので、出来る限りの準備をして臨みました。
直前の積雪の影響でレース当日の朝は路面がドロドロだったけど、試走している時からここの路面は朝方ドロドロから午後にドライに変化していくことは把握していたので、朝の状態からどこまで乾くか、どのタイヤがベストか、状況を見極めるのが難しかったです。(※個人的には朝のドロドロの状態で行ってくれる方が面白いなと思ったけど、最終的にだいぶ乾きました)
結局悩んで末にタイヤはVittoria Terreno WET(チューブラー)と言うマッドタイヤを選択。普通に考えれば、この状況ならノーマルパターンのタイヤがベストなんだけど、数か所だけ乾かずぬかるんでいる場所が有り、そう言うポイントはいきなり滑るので、そこでのミスを防ぐために安全策です。
ちなみに最初のプランでは前半をマッドタイヤで走り、ぬかるんでいるポイントを覚えてからノーマルタイヤが付いているマシンに交換するプランでしたが、野中君と接戦になってピットに入るタイミングがなかったので、そのまま最後までマッドタイヤで走りました。
そんな感じで機材も準備し、アップもして、いつも通りにスタートへ。
スタートは端だけど1列目。これならダッシュで飛び出してホールショットが狙える。
狙い通りにスタートと同時に先頭に飛び出すことに成功。
ここから早い段階で独走態勢築いて一人旅に持ち込むのが理想の展開だった。
でも、野中選手だけきっちりマークしてついてきた。
レースのスタートリストが発表された際、最も警戒すべきは野中選手だと初めからにらんでいた。確か、前回出た稲城クロスでは負けているし、このレースでの一番の脅威だった。そんな野中選手がきっちりついてきた。やはりそんなに簡単には勝たせてくれない。
それでもコースを知っているので先頭に出てテクニカルセクションでペースを上げて引き離そうとする。しかし僅かなギャップは開くものの千切ることはできない。
ここで作戦変更。
早めに勝負を決めることを諦め、テクニカルセクションでジャブのように攻撃を続け、脚を削ったうえでラスト2周でアタックして引き離す作戦に変更する。
野中選手のタイヤの音に集中し、ラインを外したり、ギャップが空いたのを察知したらすかさずペースを上げて苦しめる。引き離すことは出来ないけど、野中選手の息が荒くなってきたのは感じたので、予定通りラスト2周でアタック。残り周回が少ないのでこれが決まらないと今度はこっちが苦しくなる。
しかしここでトラブル発生。
5周目後半。わずかに差を付けることに成功し、このまま決めたいと思っていた矢先、周回遅れの選手が前に見えてきた。自分も「開けて~」と叫んだし、オフィシャルの人も「先頭来たから避けて下さい」と声を掛けている。
そのまま近付けば端に避けてくれるものと思って突進すると、全然避けずにレコードラインを塞がれる。抜きに行こうと思って勢いをつけていたので、そのまま路面が荒れているサイドに逃げたら、前輪取られて落車。当然、野中選手にパスされて逆転を許す。
(※ホント、周回遅れになる時は自分のレースを中断して端に避けて下さい。それで先頭の順位が変わってしまうことが有るんです)
そのまま7秒のタイムギャップを付けられてラスト1周へ。
長い直線でも捕らえられず差を付けられたままテクニカルセクションへ。
正直、この時点で完全に負けたと思った。
でも、このレースだけは是が非でも勝ちたいので最後まで追いかける。
もうコーナー1つ1つもマージンなしでタイヤをズルズル滑らせながら攻めてなんとか追い付く。そして短い直線に差し掛かる立ち上がり、野中選手の加速が鈍いように感じたので、逆サイドのラインに振って一気に加速。土壇場で先頭に出て、あとは差し替えされないように全力で走る。とは言っても、こっちも追い付くのに脚使ってて全然余裕ない。
そして、勝負の階段セクションへ。
実は階段ではいつも差を詰められたり、抜き返されたりしていて、同じように入ったら階段で逆転されるのは明白だった。
そこで、それまでシケインから階段までの僅かな区間は体力消耗を防ぐために自転車に乗っていたけど、最後だけは隙を作らないために全部担ぎに変更。階段は苦手意識が有ったので全力ダッシュで突っ込んでいく。
ここを先頭死守してなんとかクリア。その後の下りをしっかり踏んで、折り返した最後の直線ももがいて、これでやっと勝ちを確信。ガッツポーズをしてゴール。
負けてもおかしくないレースだったけど、最後はこのレースへの執念が僕の方が少し上回ってて、その差が出たのかな。
ずっと「自転車店の店主として、何かで一番になりたい」そう思って、1年前からこのレースに勝ちたくて、それが叶って嬉しかったです。
ぶっちゃけ、本当は自分よりシクロクロス速い店長います。
でも、ずっと欲しかったタイトルなので、次回まで「最速店長」の看板は有り難く使わせて頂きます!
そして来週からまた競合ひしめくカテゴリー1のレースです。
これを励みに、引き続きトレーニング頑張ります。