A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

2015シクロクロス全日本選手権

23(-3Lap)でした。
不甲斐ない。
 
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一生懸命やったつもりだが、実力がまだまだ足りなかった(写真:岡元氏)
 

野辺山での疲労を取りつつ、ある程度コンディションをキープして臨んだつもりの全日本選手権
土曜日の試走の時点からすでにキャンバー区間はぬかるんでいて、夜に雨が降ってさらにコンディションは悪くなると言う話。
条件は皆同じだけど、自分にとっては有り難くない話。苦戦することが必至なので、試走では自分の武器になりそうなものを探しながら行う。
だいぶテクニック面も改善出来ているものの、やはり全日本のような真剣勝負になると、周りのライダーから劣る部分は否めいので、それを補うために秘策と言うか、武器と言うか、他を出し抜いて1秒でも稼げるポイントを見付けておきたい。
 
そこで見つけた自分の武器になるポイントは5つ。
1. ゴールエリア後の土手のキャンバー:下のぬかるんでいるところを通らず、上の部分を通す。凸凹があり、スリップすると落車するリスクがあるので、何度も上の部分を試走して、リスクを最小限にして通せるラインを探る。それと、根本的にタイヤのグリップが求められるので、あの秘策タイヤを使うことにする。
 
2.舗装路の直線:やはりロード選手なので頑張りどころ。もがけば10秒くらい前の選手も捕まえられる。タイムを稼ぐためには踏まない手は無い。
 
3.山の裏側でぬかるんでいる区間にある照明用のポールが立っている左コーナー180°折り返し:ポールを掴んでのUターンをやる。慣れていないと上手くいかいないが、なぜかこの曲がり方は得意で、試走中にも何度も練習したので、ここのポイントのポールターンはマスターした。ここでポールを使って乗車のままクリアすると、次の直線までがかなり楽になる。
 
4.階段:階段は得意。MTB系のライダーに比べてテク無しテク無しと言われるけど、担ぎとかシケインとか、クロス特有のテクニックは実は何気に得意。この階段は微妙に歩幅が合わないが、それを解消するために、左右の段の付いていない部分を使って登ることにする。こう言う小技は苦しい時に効果がある。
 
5.ドロ最強タイヤ:竹之内選手をはじめ、上位陣のライダーもかなりハードなマッド用タイヤを装着していたけど、自分はさらにその上を行くビットリアXLを装着。殆どMTB用のタイヤをクロス用にサイズダウンしたようなタイヤだから、グリップは最強。舗装路は少し重くなるけど、こう言うコンディションでは最も心強いタイヤ。キャンバーの上を通すのも、山の裏側の乗車率を上げるもの、全てこのタイヤを使うことが前提。このタイヤがなければもっと苦しいレースになったと思う。
 
 
そんな、厳しい状況の中でもアドバンテージを築けそうな要素を見付けて試走終了。
翌日に備える。
 
レース当日。
早朝の試走は雨のため見送り。どうせ走ってもコンディションがまた変わるし、寒い時間にわざわざ濡れて消耗するのを避けたい。
その分、U23のレースを見て、ライン取りを確認する。なにせメンバーはエリートと変わらない強豪ぞろいなので、彼らに走り方を見れば路面状況は読める。皆同じことを考えるらしく、上位選手も山の部分に視察に来ていた。
 
ちなみにうちのチームの楓くんは、パンクで序盤に遅れ苦戦するも、何とか完走を果たした。パンクが無ければもっと上に行けたかも知れないけど、まずはキッチリ走り切ったので、この勢いでシーズン後半戦も調子を上げてくれるだろう。
 
そしていよいよ自分の番。
路面状況はどうなっているか、そして、キャンバーの上を通す作戦は成功するか。
気温が低いのでアンダーはこの日も暖かめ。それにウォームアップオイルもNAQIの一番暖かい奴を使う。
これは初めて使っていたけど、唐辛子たっぷり入ってるらしく、脚がピリピリしたけど、暖かければそんなことはどうでも良い。
と言うか、もの凄く暖かい。こんなに温まるなら野辺山でも使うべきだった。
 
いざスタート。
予想通り、ゴールエリアの直後のぬかるみで渋滞発生。その上のキャンバーをじぶんはスルスルと通過し一気に10位前後にジャンプアップ。土手の上の方はトラックのコーナーのようで、
あ~、大学の時に毎週土曜日にバンク入ってた甲斐あったな。しゃ~っす!
なんて、この瞬間は一気にテンションが上がりましたね。
しかし、次の瞬間。
理想としては、徐々に下の方に下がって行きたいんだけど、下は渋滞しているので降りる場所がない。
仕方なく、上の方をずっと走っていると、走りたくなかった荒れた部分で後輪を取られて一気に落車して落下。そのまま滑りながら、渋滞している中へ降臨。。。
もうマンガのように後ろから来る人に踏まれまくって、全然起き上がれず、大幅ポジションアップからの大幅ポジションダウン。
めげずに起き上がり追走を開始するが、このドタバタと空回りした感じはこの日の走りを象徴していてかな。。。
 
自分が落ちていくところを三上店長たちが抜いて行くところ。三上店長やマシュンさんたちはしっかり右足を出して、もしもの時に備えているのに、焦っていた自分はこう言うケアが足りなかった。
 
それでもまだまだいけると思ってポジションを上げに行く。
山の抜かるんだ区間XLを履いているから周りより楽に行ける。ポールターンも成功し、さらにポジションを上げようと思った矢先、前の選手がぬかるんだ下りで落車
全然避けきれず、前の選手の自転車を踏み付けながらコース外へ逃げるのが精いっぱい。これでまたポジションダウン。
 
その後もキャンバー区間で抜きに行っては前の選手の落車にまた突っ込んだりと、走りが安定せず。
気が付くと、かなり攻めているつもりだけど、ポジションは徐々に下げている状況。
中盤は選手の密集率も下がり、一人ずつ抜いて上がって行きたい所だったが、相変わらず上がっても何がしかでまた下がったりの低レベルなレースを展開し、80%ルールに引っかかり終了。
去年からの成長を感じられないレースだった。
 
去年以上に恵まれた環境で、タイヤも、その他の機材も、身に着けるものに至るまで、最高のアイテムを用意して頂き、ピットのサポートも完璧な中で全日本に望めたのに、それに見合うだけの走りが出来なかったことが、情けないし、それ以上に申し訳ない気持ちでいっぱいです。なんと謝って良いか。。。
 
けど、もう終わってしまったことだし、全ては自分の実力不足が原因で、レベルアップしていくしかないので、後半戦も自分に出来ることを1つ1つやって行きます。
後半戦は湘南や茨城など、関東のレースが中心になりますが、全てのレースで優勝目指して全力で臨みます。