A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

シクロクロス全日本選手権2018

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PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)

前週末はシクロクロス全日本選手権でした。
 
言わずとしれた1年で一番重要なレースです。
僕の目標はエリートの10位。
 
これは永遠のライバル山川俊ちゃんが引退する年に残した成績。
これをずっと目標にしているのですがなかなか簡単では有りません。
しかし、今年はシーズン序盤から調子が良いので、この目標にトライできる数少ないチャンスだと思ってトレーニングに励んできました。
この歳になると、来年どうなるかなんて分からないので、これが最後になるかも知れないと言う想いで臨んでいます。
 
好調で迎えた10月末のさがえでUCIポイントを獲得したものの、そこから逆流性食道炎等でやや調子を落とし、野辺山終了後から3週間で修正して本番に臨みました。
 
前日試走は泥。
ここまでずっと温暖なドライレースが続いていたのに『いきなり全日本の本番が久々の泥レースかよ』と言う気分になりましたが、そんなのはまだまだ序の口でした。
 
久々に緊張して、夜も眠りが浅く、窓の外を見てみるとうっすらと雪化粧をしていて「勘弁してくれよ~」と言う感じで余計眠れなくなり。
一夜明けると雪化粧どころか、ガッツリの積雪で、やむ気配も無い状態。
レースが荒れることは明白。もうこうなったら覚悟を決めて冷静にやるべきことをこなすのみ。
 
低温で体力を消耗することを避けるため、なかなか宿から出られず、応援に行こうと思っていたジュニアのレースを観られず。
せっかく優勝したのに、大輝ごめんよ。。。
 
準備をしながらU23のレースを観ていると、あれだけのメンバーでも殆ど乗車できずランニング大会。
それを見て、いそいそとマシンをランニング用セッティングしたけど、雪が止んだのもあり、昼試走では大勢が走って轍が出来て、かなり乗車率が上がってきた。
 
これを受けて、慌てて乗車を前提とした雪用セッティングに変える。
すると、このセッティングがドンピシャにはまって、難しいところもイイ感じでさばける。
今シーズン初登場となるマッド用のVittoria Terreno WETもコース状況にベストマッチしていて、今日の雪は攻略できると自信が出てきた。
 
そこからは上位を狙うための試走。
速いペースで走るため、ギリギリ乗れるか乗れないかの所を乗車でクリアするためのチェックをしていく。
これで、周りが皆降りるけど、自分は乗車のままクリア出来るコーナーとかも出来た。
 
もっと時間が有れば、パッシングポイントを開拓する作業もしたかったけど、上位を狙うための作業に注力して試走は終了。
これが結果的に序盤のレースを難しくする結果になった。
 
そしていよいよスタートラインへ。

スタートは3列目。まずまずのスタートを切って、無難に舗装路を終えて、積雪の残る区間へ突入。
ここからはランニング大会になり、そこまで予想通りだった。

しかし、徐々に読みが外れはじめる。
何が起きたかと言うと、踏み固められた走行ラインを担ぎでこなしていると、隊列の両脇から、もの凄い勢いで新雪をかき分けて後方から上がってくる選手が押し寄せてきた。真ん中にいるものだから身動きが取れず、脇からバンバン抜かれ、おまけに隊列に入ろうとねじ込んでくるんだけど、隙間の無いところに無理やり入ろうとして、自転車をバンバンぶつけてくる。
 
横からも後ろからも自転車でバンバンはたかれる。
自転車を凶器にしちゃアカンぞ!
 
こう言うシチュエーションも上手くこなす対応力も問われているのかも知れない。
しかし、あまりにカオスな状況に、自分より前でスタートした有力選手でも後方に飲まれた選手が何人もいた。
 
そして案の定、上がるのに全力を使った選手は乗車区間に突入すると燃え尽きてペースを上げられず、ラインが1本しかないものだから、渋滞にはまって追い上げが本当に大変だった。

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ラインが1本しかないから、序盤は競い合うよりただただ並んで周回を消化するのみ PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)

 
試走時にもっとパッシングポイントを開拓しておけば良かったんだろうけど、それを怠ったために、少ないチャンスで1台ずつ抜いて行くも、1周目終了時には既にトップと3分差が付いていた。
 
後方に埋もれたのも実力のうちだけど、この遅れはあまりにも痛い。
2周目もまだまだ下位集団の中から抜け出しきれずサイクリングペース。

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自分のペースで走れたのはラスト2周のみ PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)
 
3周目は少しペースアップして、前が開いてやっと自分のペースで走れたのがラスト2周。
もうこの段階では劇的なペースアップも出来ず、周りに居る選手を数名抜いて30位でゴール。
 
これも含めてのレースだけど、雪路面の走行には手応えが有っただけに、ただただ悔しい。
 
走る前から、今回はSUGOでやった時みたいに大荒れになるのは目に見えていたので、その状況を逆手に取れば逆に上位入賞のチャンスも回ってくると思っていた。
実際、1周目のランで攻めに転じて一気に上位にポジションアップしたら、また違ったレースになっていたかも知れない。
それが出来なかった自分は結局その程度だったんだなと。。。
 
正直、全日本後のレースのことはあまりちゃんと考えていなかったけど、この悔しさを晴らすような“はまるレース”をしたいので、もっと頑張ります。
 
次の目標は1月の蔵王と、その後に続くローカルレースです。