A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

Coupe du Japon第5戦 富士見パノラマ(初公式マウンテンバイクレース)

先週日曜日はCoupe du Japon(クップドゥジャパン)に出場しました。マウンテンバイクのレースです。
 
MTBレースは初挑戦なような、全く初めてでも無いような状況。
 
何気に、僕の初レースはMTBだったんです。
中学2年生の時に「モンキーカップと言う多摩テックで開催されていたレースがあり、これに興味本位でエントリーし、ジュニアクラスで優勝して
あ~、俺は自転車の才能あるかもと勘違いして以来、いまだに自転車競技にどっぷりな生活を送っています。
その後は高校生の時に「ファットタイヤサーキットグランプリ」と言うレースに出たり、5年ほど前に借り物の自転車でマウンテンバイクのエンデューロに出たりと、何度かレースを走ったことがありましたが、自分用の最新機材を手に入れて、公式なレースをちゃんと走ると言う意味では、自分にとって新しい挑戦。
 
春先に念願のMTB(しかもバリバリのレース仕様)GETし、トレイルに入りながら準備をしてきました。
特にacu-powerで走るエリートライダーの澤木君と一緒に山に入った時にはかなり色々教えてもらい、その時のアドバイスが今回のレースに活きました。彼には本当に感謝!
って言うか、最近チョット山の師匠と崇めております。
新しい挑戦は不安も有るけど、ワクワク感が凄くて、ここまでの準備はとても楽しかった。
 
 
そして、レース当日。
有り難いことにSNELシクロクロスチームのスタッフが応援に来てくれました。
とは言え、MTBレースは走る側もサポート側もお互い初心者。レース前は
「〇〇って知ってますか?」
「俺もはじめてだから分からないよ」
みたいなちょっと残念な会話もチラホラ・・・。
今では完璧なサポートをしてくれるシクロクロスチームのサポート陣もチームの1年目はこんな感じだったっけ。ちょっと懐かしい。
 
それにしても、朝一レースだから忙しい。
何が忙しいって、8:00にレースがスタートだけど、
6:45の受付開始と7:00の試走開始までは何も動きようが無いので、この1時間に一気にバタバタと準備をこなすしかない。
それまでに出来ることと言ったらレース前のデュムランタイムくらいか・・・。
 
そして、受付からの速攻ゼッケン付けで、試走へ。
 
この試走がなかなかハードだった。
1周しか出来なかったんだけど、コースが覚えられなかったのはしょうがないとしても、周りの選手の下りの速さに度肝を抜かれ一気に怖気付く。
こっちは初めて走るコースの1周目。超絶スロー走行になり、後ろからプレッシャーをかけられ、そしてドンドン抜かれて行く。ほぼ半泣きで俺はここに来るべきでは無かったのか?
とテンションが下がっていく。

さらに言うと、ジャンプセクションを見た時に、高1の時に飛び方も知らないのに、緑山のBMXコースでジャンプして、見事にコケて、チェーンリングがふくらはぎにガッツリ刺さったトラウマを思い出し、帰りたいとすら思えてきた。。。


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試走中。テンションダダ下がり。。。

 
それでも下った分だけ登りがあり、この登り区間で突破口を切り開こうと心に誓う。
 
試走を1周して戻ってくると整列の時間。
どうやらチャレンジクラスにもランキングが有るらしく、初出場でポイントが無い自分は最後尾
下りで苦戦して凹んでいる所に、さらに追い打ちをかける。
 
おまけに誰かが、
下りに入ったら大渋滞するから、最初の登りで前に出ないと終わるよ。
非常に有り難くも絶望的なアドバイスをしてくれた。
 
とりあえず、スタートから最初の登りだけを死ぬ気で走って、そこから先は状況を見て判断しようと決める。
 
 
で、スタート。
 
クリテリウムの位置取りスキルをフル活用して、少しでも隙間があれば、バイクを突っ込んで、こじ開けながら前に上がっていく。
 
少々強引だけど、こうしないと前に上がれない。
埋もれたら、そこで試合終了だよ
と心の中で安西先生の言葉がループする。
 
そして、サイドから上がれるスペースがあればフルもがきをして、登りが終わるころには先頭の3人パックに合流する。
最初の坂だけで燃え尽きるくらいの覚悟で望んだけど、
最初の坂で本当に燃え尽きそうになった。。。
そのままの勢いで前に出ようか一瞬悩んだけど、他の選手がどんな下りをするか分からないので、ひとまず自分を加えた4人パックの後方で様子を見ることにする。
 
そして、一番の不安要素だった下りへ。
どうやら、周りの選手も自分と同じくらいのスキルらしく、ライン取りもスピード域もほぼ一緒。
後ろに付いて行くこと自体は問題ないレベル。だけど、前に出られるほどの力も無い。
やっぱり、勝つためには登り勝負だ。
 
 
そして、テクニカル区間が終わった後、一番長い登り区間へ。
4人パックのスピードが一瞬緩んだので、ここだと思って前の2人を抜いて先頭に出て、引き離しにかかる。
 
上手くギャップが開いたので、そのまま登りで勝負をかけていく。
これがメチャメチャきつい。
 
そもそも、ロードでは平坦得意だけど登りはしんどいな~とか言っている自分が、登りで勝負をかけているんだから、そりゃ結構な非常事態ですよ。
登りをこんなに必死で走ったのは何年振りだろうか。
おそらく、Jプロツアーとか出ていた頃に、登りでスピードアップが有った時に、必死に食らい付いていた時以来だろう。
 
とにかく持てる体力を全部登りにぶつける。
何とかリードを築くことが出来て、その分、下りは安全運転。
転んだり、ミスが出たらそれが一番のタイムロスなので、勝つために無理をしない。
まあ、単走なので、速く下るにはどうしたら良いか分からなかったと言うのが正直なところだけど。
自分は、たった一度、澤木師匠と山に入った時に教えてもらったことしか分からない。

足りない分は、機材に頼る!
テクが足らない部分はMERIDA BIG SEVENに何とかしてもらう。
サスもタイヤもイイ仕事してくれた。
 
そんな感じで、下りで大きなミスをすることもなく、コントロールラインに独走で戻って最終周回へ。
とか言いつつ、2周回だけなんだけどね。
 
最初、MTBは平均速度が低いのは知っていたけど、4.3kmのコースを2周と聞いて、たった2周かよ!
って思ったけど、いざ走り出すと
2周で充分です。。。
なんなら1周でも良いくらい。
 
こんなコースを僕よりはるかに速いラップで8周回も走るエリートクラスって言うのは、どんな化け物の集まりなんだよ。
 
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最終周回。きついけど追い込む


そして、最終周回に後方に45秒の差を付けていたけど、安全マージンを確実なものにするために、登りをさらに頑張る。もう脚いっぱい。おそらく心拍数は180超えてる(まだガーミンのデータを確認してない)
 
あと登り2
あと登り1
と自分に言い聞かせながら、しんどいところを攻める。
体はしんどくても先頭を独走してるんだから、こんなにテンション上がるシチュエーションは無い。
 
そして優勝。嬉しいですね。
今年に入って、3位が3(クロス2回、ロード1)だったので、やっぱり1位は格別だなと。

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ウィリーゴール決めようと思ったけど、朝にウィリーした時にフロント上げ過ぎてひっくり返り、それを思い出して腰が引けて大失敗。やっぱり慣れないことはするもんじゃない。
とりあえず、笑って誤魔化す!


 
そんな感じで無事昇格し、次回からはアドバンスクラスです。
サクッと昇格したように見えるかも知れないけど、かなりハードで全然余裕のないレースでした。
けど、楽しかったです。
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                無事にレースを終えてホッとした(写真:信州ふぉとふぉと館)
 


せっかく昇格したんで、もう1戦出たいなと、次に出られそうなレースを現在模索中です。
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