A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

クリテリウムの走り方

この前、全然準備していない状態で久々に鴨川でクリテリウムを走ったのですが、やっぱりクリテリウムの走り方ってこう言うことなんだな~って思う部分が有ったので書かせて頂きます。
 
なんか、やっとこE1に昇格したばかりの自分がノウハウなんぞを語るのはおこがましいかも知れませんが、元クリテ職人(JPTクラスのクリテで7位になったことあります)なので、クリテリウム得意じゃない人にとって参考になるくらいのお話は出来ると思います。
 
■ずっと下ハンを握っている必要は無い:
ロードレースなんかは距離が長いので、踏む時と貯める時のメリハリがしっかりしていますが、クリテリウムも休める時は休んだ方が良い。
競技時間が短いとは言え、不必要な場所で力を使うと、大事な場面で踏めなくなる。
そう考えると、集団の中で意識的に休む場面が出てくるし、そう言う時は緊張を取るためにブラケットでも握って、上体をリラックスさせた方が良い。自分も昔は下ハン握りっ放しでガチガチだったんですけど、やっぱり疲れが後半にでちゃうんですよね。おまけにレース後も首とか肩が痛くなったりして。
平坦だから姿勢を低くして風の抵抗を減らすのは重要なのですが、集団内で休める場面ではしっかり休むために下ハンからブラケットに持ち替えた方が良いと思います。
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クリテリウムで休める時間は短い。だからこそ、リラックスポジションでしっかり休んで、復活したらまた仕掛ける photo:(c)gg_kasai 
 
 
クリテリウムの本質はダメージを与え合うこと:
クリテリウムはスプリント以外の場面では、ひたすら相手にダメージを与え続ける競技だと思います。
短い競技時間の中で、いかに自分以外の競技者の脚を削り、最後のスプリントをするか(あわゆくば逃げを決めるか)クリテリウムの本質ではないでしょうか。集団内で脚を貯めようとしても、攻撃を仕掛ける選手の影響で加速減速を繰り返して、脚を削られていく。どうせ消耗するなら、仕掛けられる時は自ら仕掛けて、他の選手の脚を削ることで、自分の勝機が増すのです。
 
だから、余裕がある時は仕掛けてみるのも良いと思います。
例えば、絶対に集団のスピードが緩む場面が有りますよね。その時、けっこう休めるんですけど、必ず誰かがしびれを切らせて攻撃をしてきますよね。この時、休む気満々だと、反応が遅れて、けっこう脚使っちゃいますよね。どうせそうなるなら、集団のスピードが緩んだ時に自分から仕掛けるのはどうでしょうか?
スピードが緩んでるのですから動き易いし、自分から仕掛けることによって、乗り遅れることもないし、のほほんとしていた選手にダメージを与えることもできる。
上手くやれば、脚を貯めながらでも攻撃をしかけられるのです。
 
ちなみに、先日の鴨川クリテリウムの時、自分は前半から中盤にかけて、何度か仕掛けましたが、その時も踏む力は7080で、踏み切らないようにしていました。残念ながら自分は独走力が無いので、アタック決めて単走で逃げ切れるようなタイプではありません。それでもアタックを掛けることによって、集団にダメージを与えたり、集団の人数を絞ったり、上手く乗ってきた選手と複数名で逃げるきかっけ作りになるから、最後まで踏める脚を残しながら攻撃をし続けました。
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仕掛ける時は姿勢を低くして、あまり脚を使い過ぎないように。集団に飲みこまれても、もう一度踏める分の脚を残しておく photo:(c)gg_kasai 

 
■先頭でコーナーに入るのはおいしい:
ロードレースなら、風を受けるのであまり先頭には立ちたくないものですが、クリテリウムに関しては先頭でコーナーに突っ込んでいくことは絶対においしいです。
よくクリテリウムは後ろの方が辛い」と言いますが、これはコーナーリングに伴う加減速が後ろの方が激しく、先頭が普通にコーナーリングしても、後ろの方ではコーナー前でめいっぱい減速して、立ち上がりはめいっぱい加速しなくては付いて行けないので、前の方が有利なのです。
 
さらに言うと、先ほども書いた通り、クリテリウムはダメージを相手に与え続ける競技なので、先頭で曲がって、コーナー立ち上がりを意識的にスピードアップでもしてやれば、後ろは地獄です。
コーナー立ち上がりからのアタックもアリなので、先頭でコーナーに入るのは色々とおいしいのです。
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先頭でコーナーに入れば、急加速で脚を消耗することもないし、スピードアップを図って攻撃をすることもできる photo:(c)gg_kasai 
 
 
ここから先は野生の勘みたいなものが重要なのかも知れませんが、とりあえずこれだけを徹底するだけでも、クリテリウムが楽しくなるんじゃないでしょうか。