A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

2017シクロクロス全日本選手権

シクロクロスライダーとしては一番重要なシクロクロス全日本選手権
走って参りました。
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PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)
 
例年、全日本選手権は前日入りだけど、今回はお店の方も色々忙しいので、諏訪さんに受付をお願いして当日入り。
何度も走っている野辺山だから、直前試走で走れば大丈夫。去年くらいから全日本の時に昼の試走時間が出来たけど、あれは良いね。コースの状況刻々と変わるから、直前の試走じゃないと意味ないし。
あと、野辺山はそこそこ標高が有って、それで苦しむ人もいるみたいだけど、自分の場合霧ヶ峰は凄く苦しかったけど、野辺山くらいだったらあまり苦しくない。たぶん、高校の自転車部で、自転車乗る前にいつも5kmランニング走らされて心肺機能鍛えられたお陰かな。
先生有難う!
この際だからついでに言うと、学生の時、安静時の心拍数は32でした。
 
まあ、そんな感じで当日入り。会場に着くと意外と暖かくてホッとする
(ホッとするとホットをかけ・・・)
もちろん、エリートの時間帯は日が陰り始めて状況変わるだろうけど。
 
そして、着くと同時にU23のレースがスタート。
自分の準備も有るけど、拓海のレースが気になって準備が手に付かない。諦めて、割り切って、拓海の応援に専念する。
そうすると、僕の応援のお陰なのか、拓海が良い感じでレースを展開し始めた。
聖には大差を付けられたものの、単独2位に上がり、表情も集中しているし、走りにもキレがある。もともとセンスのある奴だから、ハマると速い。
最後はお遼に抜かれたものの、3位入賞。
素晴らしい、自分の出走前に良いものを見せてもらった。
 
そして試走。
例年の野辺山と少し違うレイアウトになっていて、踏める区間が多くて抜けるポイントも多い。後方から追い上げるレースが多い自分として、パッシングポイントが極端に少ないいつもの野辺山よりこっちの方が好き。
ただ、大きな溝のセクションだけは。。。
 
選手は設定されたコースに対応するようにしないといけないんだけど、好きか嫌いかで言えば、あのセクションは好きじゃない。
それでも、乗車のままジャンプすれば、リップに後輪がヒットするものの、何とか乗って行ける。練習では3回トライしたら全部成功したので、本番も乗車で行くことにする。
 
そして召集へ。
予想はしていたけど、急に冷たい風が吹いてきて身体が冷える。
本当に寒くて、スタートして最初からしっかり踏めるか不安になってくる。
 
そしてスタート。
寒いんで控えめにスタートしようかと思ったけど、意外と身体は動いてくれる。
スタートオイルテンペストのレッグウォーマーウィンターシューズと言う防寒3点セットが効いているのかも知れない。
直線後の折り返しの渋滞している所も、イン側をこじ開けて一気にジャンプアップしたりして、目の前に澤木がいる位置まで上がれた。
 
そして、いよいよリスクが大きい溝のセクションへ。
前で降車している選手もいて、少々渋滞気味。
ここで本当は降りて担いだ方が正解だったんだろうけど、乗ったまま行けばもっと前に上がれるとはやる気持ちで無理して溝をジャンプ。ただ、前が渋滞していたので少々勢いが足りず、前輪から溝に落ちて落車。
急いで立ち上がるけど、もの凄い衝撃だったのでチェーンが落ちている。
実は自分のフロントシングルの設定はインとアウトからガチガチにチェーンウォッチャーで挟んで絶対にチェーンが落ちないように固めている。それが、もの凄い衝撃で絶対に落ちないチェーンが落ちた。
さらに、一度チェーンが落ちてしまうと、詰め詰めだから絶対に戻せないようになっている。
仕方なく、そのままランニングでピットを目指す。幸い、ピットに近い場所でのトラブルだったので、タイムロス自体は最小限に留められた。とは言え、ほぼ最後尾。
 
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溝で落車してチェーンが落ちてしまったのでランニング。開始5分でこの状況は辛い(写真:井上氏)


重要レースの全日本選手権で、開始5分で絶望的な状況。
完全にやってしまった。人によってはそのままリタイアしたくなるような絶望感だけど、やっぱりやめるわけにはいかない。
今シーズン、後方に落ちてから追い上げるレースを何度もしているので、今回も気持ちを切り替えて1人ずつ抜いて行く。
 
パッシングポイントの少ない野辺山なので、抜けない所は諦めて、直線区間で一気に踏んで抜いて行く。
なかなか自分のペースで踏めないけど、ミスして下がった自分が悪いんだから仕方ない。

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とにかく集中力を切らさないように1にんずつパスしていく(写真:岡元氏)


そんなこんなしていると、いつも競り合っているようなメンバーも捕え始め、もしかしたらフルラップの可能性も出てきたなとテンションが上がる。
しかし、やっぱりそんなに甘くなくて、-2Lap32位でレース終了。
ミスも含めて自分の実力。反省点の多いレースになってしまった。
 
後から考えると、ミスした溝のセクションは、渋滞しているんだから降りるべきだった。
そんな簡単なことなんだけど、あの時は冷静さを欠いていて、渋滞を見て逆に抜かしてもっと前に上がろうとリスクの高いトライをしてしまった。
プッシュする気持ち冷静さを欠くことは意味が違うなと反省しきりです。
 
ちなみに、優勝はひかる君。
彼は本当に人格者で、年上からも歳下からも慕われている。
彼が優勝して、みんなが祝福していた。かつて、これほど多くの人に祝福されたチャンピオンはいただろうか。
自分のレースは酷いもんだったけど、見ているこっちも嬉しい気分になれる勝利だった。
 
さて、今後はJCX戦もひと段落し、各地のローカルなレースが続く。SNEL CYCLOCROSS TEAMとしても、来週の湘南を皮切りに関東でのレース活動が始まる。
 
全日本は悔しさが残るレースだったけど、有り難いことにすぐにリベンジの場は用意されている。
拓海やひかる君みたいに、自分の今シーズン何かを残せるよう引き続き頑張ります。