A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

2020東北シクロクロスざおうさまCUP

先週末は今季最後のUCIレース、東北シクロクロスざおうさまCUPでした。

UCIポイント獲得」を必達目標に臨んだレースでしたが散々な結果。

必達目標って達成できなかった時どうするんだろう。坊主?

 

今シーズンの泊りでの遠征は4度目。

中国遠征と寒河江、全日本主権と今回の蔵王。それくらい重要レースと自分の中で位置付けて参戦。

年が明けてからはこのレースを目標にトレーニングしてきました。

 

余裕を持って前日入りし、入念に試走。

ただ、前日はかなりドライコンディションでキャンバーセクションも特に問題無かったけど、レース当日は霜が溶けてかなりグチャグチャ。わざわざ土曜日も店を閉めて試走に当てたのに殆ど意味が無くなってしまった。

 

レース当日の直前試走で新たなラインを探るも、前日に走ったラインが頭の中に残ってて、余計な先入観も入ってしまったが、一応マッドなキャンバーに対応できるように準備。

タイヤはいつものVittoria Terreno Mixだけど、空気圧をいつもより0.1気圧落としてキャンバーでの路面の追従性を確保した。

 

スタートは1列目だけど一番右サイド。スタートラインから10mくらい先でコース幅が狭くなるからサイドは不利。初速重視で軽めのギアでスタートを切ることにする。

 

そしてスタート。

スタートはそれなりに上手くいき5番手くらいでコースイン。最近スタートだけは良い。

ただ、1周目後半から2周目にかけてポジションをやや落とす。

これは周りがだいぶオーバーペース気味に入っていて、それに付き合うと前半で脚をだいぶ削ってしまうと思ったから。

周りが落ち着いてから3周目くらいから上げていこうと言う感じで。あくまで1時間後にトップ10に入っているためのペース配分のつもりだった。

 

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序盤は良い位置に付けた。ただ前の方で余裕を持って展開できないのが課題 PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)

 

しかし、自分が入ったUCIポイント争いをするパックが超団子状態で人数が10人弱。

後ろにいるとテクニカルセクションの処理が色々厄介だった。

 

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パックの人数が多過ぎて後ろに居ると色々厄介 PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)

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大人数のパックで急坂登ると出口で渋滞する PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)


 

そんな中、調整池のキャンバー区間で前がやや渋滞。

この時、入り易い右側のラインが渋滞したので、左から一気に抜いて前に上がろうと猛スピードで左ラインに突っ込む。

この左ラインは前日から何度も練習していたので、右が詰まった時に使おうと思っていて、まさにその時が来たと思った。

 

しかし、

一気に抜こうと思うあまり、かなりオーバーペース気味に左ラインに突っ込んで、轍を外して前転落車。

アドレナリンが出ているから痛みは感じないけど、落車でポジションを逆に落としたのはかなり痛かった。

 

それでもまだまだ序盤。ここから立て直せばチャンスは回ってくると思っていた。

 

でも、その次か次の次くらいの周回で、調整池入り口の急坂を一気に駆け上がるセクション。

カテゴリー1なら誰でも問題無くクリア出来るくらいのセクションだけど、パックで入ったために渋滞。

自分の目の前の選手もスローダウンをしたため、それを避けるために殆ど誰もトレースしていない左側のラインによけようとした時、思いっきり前輪を持って行かれて顔から落車。

これのその時はアドレナリンで痛みを感じなかったけど「これきっと終わってから痛くなるな」と容易に想像できるくらいの衝撃だった。

 

ここでは復帰にも時間がかかり、もはや必達目標のUCIポイント獲得は難しい状況。

それだけを目標に来たので、もうやめようかと思った。これだけ転ぶと弱気になるもので「2回も転んだんだし、やめる言い訳は出来たな」と正直思った。

 

でも、わざわざ蔵王まで来て、2回コケたからってやめて帰るのも情けないので、一応最後まで走ることにする。

完全に落ちたモチベーションを少しでも上げるために、バイクチェンジで気分をリセットしようと思った。

 

そしてバイクチェンジ。

正直、機材的には必要のないバイクチェンジだったかもしれないけど、もう1回踏み出すきっかけには出来た。

ここから悪いなりに踏み直す。

ところが今度は背中が痛くなってきた。2回も打ち付けているからその影響だと思う。

ここからはもうただの我慢大会。踏めないのと痛いのを我慢しながら首の皮一枚で最終周回に突入し、最後にもう1人に抜かれて最終完走車でゴール。

 

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ドライレースなのに左だけ汚れまくり PHOTO by Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)

 

悪い事ばかりだったので敢えてポジティブな部分を探すとしたら、スタートが決まったことと、一応最後までやめなかったことくらいだろうか。

 

もう少しちゃんと分析すると、最近はスタートが決まるようになった反面、先頭付近の序盤のハイペースに苦戦していることが今の最大の課題だと思う。最初の2周を超ハイペースでこなしてそのまま中盤戦に持ち込んでいけるような高強度領域のトレーニングをもっとしないといけない。まあ、もうシーズンも完全に終盤戦なので時間をかけて改善していく余裕も無いけど。

 

 

それと3週連続レースは自分にはきつかった。

レースの無い週と比べてレースの有る週はどうしても調整と回復日が入る分練習量が落ちる。

調子が良い時って言うのは、ギリギリまで練習してて、疲れているけど脚が良く回る状態になる。

でも、この3連戦は練習量が落ちてそう言うコンディションまで持って行けなかった。

自分には重要レースの前の連戦はやはり合わないかも知れない。

 

この蔵王で今シーズン終了と言う選手が多かったけど、自分はまだ2月&3月の湘南、稲城シクロクロス。そして去年勝っている茨城シクロクロスの土浦と4レースも残っている。3月の頭までモチベーションとコンディションを保ち続けるのは大変だけど、まだ勝つチャンスが4回有るので、1つ1つのレースでしっかり勝負していきたい。