A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

8/29中国遠征2日目(QianSen Trophy Cyclocross Yanqing Station)、試走で世界の走りを知る

いよいよ今日からはレースな日々。とは言いつつ、午前中は主催者が用意してくれた万里の長城ツアーへ。
なかなか来れない所だから、タイス・アルもシャネールもだいたいの選手はツアーに参加して楽しんでた。
 
ちなみに、中国との時差は1時間。ショートステーでのレースなんで、その点についてはヨーロッパやアメリカから来た選手より恵まれてる。
8:30にツアー出発だけど、7時に起きて、ゆっくり(たくさん)朝食を食べて、余裕を持って対応出来た。
 
万里の長城って歩くと結構険しい山道。
ガチで歩いて変な筋肉疲労を残さないように、どの選手もさわりの部分だけ歩いて、写真撮って帰って来る。
イメージ 1
 
あとはお土産屋さんを見る。
で、このお土産屋さんがクセモノ。無秩序でまさにカオス。
何か欲しそうなそぶりをしたら物凄い勢いで売り込んでくる。かなりしつこい。
しかも、いざ買おうと思うと凄い値段を吹っかけてくる。地球の歩き方に書いてあった通りだ。
パンダのぬいぐるみが日本円で3000とか言われる。そこで自分は800と答える。価格交渉の末、1300で決着。そんなノリ。
って言うか、最初の3000円って、どんだけボッタくりだよ。
 
それだけじゃない。
諏訪さんは日本円を換金してやると言われて100元札(1600)換金したら偽札つかまされ、自分も日本円で買い物が出来ると言われて支払ったら、3000円のお釣りが100円玉30枚で返ってきた。。。
デンジャラスだけど、みんなそのヤバい感じを逆に楽しんでたかな。諏訪さんの偽札は気の毒だったけど。
 
 
ホテルに帰り、昼食を取ったらいよいよ試走。
 
コースは凄くバンピーな高速コース。日本で言えば、今は無き佐久のコースをもう少しコーナー増やして忙しくした感じかな。
コーナーはイージーでラインもほぼ1本しかないんで、横の動きで差はそれほど付かないけど、かなり大きなギャップが連続する区間もあり、たての動きで実力差が出そう。
全力で走ると上半身疲れそうなコースです。
 
イメージ 2
日本ではあまり見かけないタイプのコースだけど、特別難しいわけではない。
 
 
 
何周か走ってだいたい分かったところで、強い選手の後ろについて走ってみたいと考えていたら、優勝候補筆頭のスティーブ・シャネールが走ってきたので後ろについてみる。
 
こがヤバい。マジでヤバい。
 
笑いながら流していて、特にイージー区間はスロー走行なんだけど、テクニカル区間がクソ速い。
コーナーもバンピーなテクニカル区間全然減速しないで突っ込んで行く。それで自転車が暴れても、テクニックとパワーで押さえつけてガンガン走り抜けていく。日本にも上手い選手はたくさんいるけど、そう言うのと走り方が違う。あんなの初めて見た。
 
それを必死で追いかける。テクニカル区間で少々引き離されても、イージー区間を流してくれているからそこで追い付いて、1周頑張って追走してみた。
笑いながら走るシャネールを全開走行で追い掛ける。それでも良い目標物がいるおかげで、自分の限界領域を超えた速度で走ることが出来た。凄い良いものを見せてもらった。
 
と同時に圧倒的な実力差を痛感した。
実力差が有ることは始めから分かっていた。
自分では全然歯が立たない日本のトップ⇒
その日本のトップ選手でも全然歯が立たない世界のトップ選手⇒
って言う構図は分かっていたけど、その差が何か少しだけ見た気がする。
 
イメージ 3
これがシャネール。僕にはトムソンガゼルにしか見えない
 
 
 
ワールドカップの先頭集団で走るような選手だから、スピード領域が全然違う。根本的に走ろうとしているスピードの領域が違うから、流していてもとんでもないスピードでコーナー突っ込んで行く。凄い強引にコーナーを曲がって行く。同じラインなのにあんなに速い速度で曲がれるんだ。。。
流しているけど、本気出したらパワーも相当凄いんだろうな。重いギアを凄く軽やかに踏んでいく。
シャネールの走りは特に軽快でまるでトムソンガゼルみたいで、暴れる自転車をしなやかに乗りこなし、トルクのかかる区間をフワフワと軽く踏み抜いて、ダートを飛び跳ねるように駆け抜けて行く。
もう次元が違い過ぎて参考にならん。
 
試走の後、「こんなのと走るのかよ」と意気消沈。弱気になりました。
 
その後は街で買い物したり、ウェルカムパーティーに出たりと楽しく凄いましたが、シャネールの亡霊が脳裏から離れず、結局早めに寝たのに珍しく緊張して熟睡できないのでありました。