A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

8/30中国遠征3日目(QianSen Trophy Cyclocross Yanqing Station)、本番です

夜は緊張であまり良い睡眠がとれなかった。
何度も目が覚めて、ずっと嫌な感じの夢を見ていた。全部は覚えていないけどキョンシーに囲まれた夢とシャネールを必死に追いかけている夢と。。。
こんなに緊張するのは久しぶり、学生の頃はレース前凄く緊張したんだけど、最近は緊張する環境すらなかったりするので。。。 
 
とりあえず朝ごはん食べるが、全然食べられない。
昨日まではビュッフェをバクバク食べていたのに今日は小食。
 
その後、部屋でレースの準備をしているとツールドチャイナの中継をやっていた(平坦ステージの序盤の部分だったらしく、あまり展開面白くなかった。。。)
 
レース時間に合わせて早目の昼食。
朝ごはんから大して時間経ってないし、ますます食が進まない。。。
 
食事もそこそこに、いよいよホテルを出て会場へ。
直前試走⇒女子レース⇒男子レースと言う流れ。
 
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ホテル出発前。緊張しすぎてカメラに視線を振る余裕すらない。
 
 
 
試走してみたんだけど、昨日シャネールの後ろに付いて走った時と同じスピードじゃ走れなかった。。。
そりゃそうだな。
けど、レースは限界まで攻める つもりです。
 
アップしながら女子のレースをちょっと見たけど、優勝したエレン・バンロイだけは別世界の走り。あの技術とパワーは男子の走り方です。
 
で、いよいよ自分のレース。
スタート順がとっても残念なことに60人出走の53番目。最後尾です。
なんかの間違えでシクロクロス東京優勝したザック・マクドナルドが56番だったので、彼に付いていければと思ってたんだけど、最前列に並んでしまった。。。
 
で、スタート。
後ろヤバい。先頭がスタートしたのにしばらく走り出せなかったし、走り出しても凄く遅い。
国際レース言っても、後ろの方のレベルはバラバラなのね。
 
最初のコーナーは案の定、落車が発生していたけど、これを上手く掻い潜り、ポジション上げるためにガンガンプッシュして行く。
 
しばらくすると、スウェーデンの速い選手が抜いて行った。たぶん、落車で出遅れたんだろう。
この選手に付いて行けば良い所行けるんじゃないかととっさに判断し、彼を必死に追いかける。
幸いにも、自分よりテクニックがあるけど、脚は自分の方が上らしく、テクニカル区間で少々遅れても直線で詰められる感じ。
昨日と同じようにテクニカル区間で自分より速い選手を目標物にして自分の限界以上のスピードでレースを進めていく。
とても良い手応え。毎周回数名ずつパスし、ポジションを徐々に上げていく。最後尾スタートだったけど、30番台くらいまでは上がっただろうか。
恐らく、かなり無理しているので、このスウェーデンの選手に最後まで付いて行くことは難しいだろうけど、付ける所まで付いて、千切れてから粘るしかないと思った。
 
そんな感じで走っていた3周目か4周目、やらかしてしまった。
 
テクニカル区間でたてのギャップに体重移動が追い付かず、抜重できないまま突っ込んで、握っていたブレーキブラケットが下がってしまった(ハンドルクランプが回っちゃったわけです)
これでガクッとブラケットが下がっちゃったから、かなり走り難い。ブラケットが遠くなったから腕が伸びきって路面のギャップが全然吸収できない。
 
それでも、必死でスウェーデンの選手を追いかけ回す。
それで今度は、無理な状態で下りを攻めたために、キャンバーになっている所で前輪が剥がれて落車。ピットまで担ぎ。
ピットで「前輪タイヤ剥がれた!ハンドルも上げて!」と叫んで代車をもらう。
ちなみに、代車は女子のレースが終わった後の宮内選手の自転車を借りることになっていた。
ペダルはタイムにしてもらってるけど、やっぱり人のは走り難い。当然半周で自分のに戻してもらう。
 
次のピットで自転車を交換。
車輪は直ってたけど、ブラケットは下がったままだった。。。
混乱の中でちゃんと伝えられて無かったんだ。経験の少なさが出たな、今後の改善点だな。
 
この状態で我慢して走るか迷ったけど、このコースはたての動きが激しいからブラケット下がってると全然スピードに乗らない。
迷った末に、次のピットで工具を借りて自分で直すことにした。
 
ちなみに暑い時期だったのでボトルの補給はOK。だからピットが想定してるのは、マシン交換かタイヤ交換。それにボトルを渡すこと。
恐らく工具欲しいなんて注文は想定外だろうから、ピットに入る前からバカデカい声で(少々キレ気味に) 4mmアーレンキー!と叫びながらピットに向かっていく。予想通り、アーレンキーなんて言われて皆慌てていたけど、すぐに用意してくれて、自分でハンドル調整して走り出す。
 
だいぶロスしたけど、これで一応ちゃんと走れる状態になった。
とは言え、もはや前後に全く選手がいない。最後尾かもな。。。
この絶望感って言ったら他にないな。
けど、ずっと楽しみにして準備してきたレース。1周でも多く走ろうとペースを上げる。
折り返しでトップ選手がだいぶ後ろまで迫ってきているのが分かった。
そこから2周。必死に走ったけど80%ルールにて終了。
すげ~悔しい。
 
途中までは過去最高のパフォーマンスだったと思うし、あのまま最後まで走ってみたかった。
とは言え、自転車壊すもの自分の実力。結果が全てです。
 
ただ、今日のメカトラについてはひとつ思うところがあり、「いつもよりも上のレベルで走ったからこそ起きたメカトラだな」と感じているんです。
昨シーズンから使っているITMのハンドルはクランプがオーバーサイズで滑り止め加工もあり、普通に使っていたらクランプが緩むことなんてない。タイヤに関しても、BOMAのカーボンホイールとビットリアのクロスタイヤの相性が良くて、外れたことなんて無かった。今までの自分のスピードなら起らなかったトラブルだと思うんです。
 
だから、凄く悔しいけど、どこかでNEXT LEVELに行ったってことかなと感じています。
まあ、自己満足ですよ。
 
 
ただ、今回のレースで学んだことは多く、それをちゃんと活かして今シーズンを走れば、本当にNEXT LEVELで走れるようになると思っています。そのためには機材面の準備も今一度見直さないといけないし、ピットとの連携なども改善点が有るなと感じています。
まあ、国内のシーズンinまではまだ1ケ月有るんで色々準備しいきます。
 
あと、俊ちゃんが完走したのは自分のことのように嬉しかった。
自分がふがいない感じで降ろされてから、唯一生き残ってる俊ちゃんを「俺の分も頼むぞ」って言う気持ちで見ていましたよ。
次がもしあるなら、リベンジしたいですね。確実に倍返しですよ。
 
とりあえずレースが終わり、夜は楽しいパーティー
やっと中国のビールにもありつけました。
 
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ウェルカムパーティーとアフターパーティーと、2回もパーティーが用意されていて、ザッツ中国な感じのご馳走が並ぶ。
 
 
 
あと、期間中、色んな国の選手と交流したんですけどね、もっと英語勉強しないといけないなと反省です。
4年前に新婚旅行でグアムに行った時に全く英語が必要無くて「ああ、英語なんか出来なくても不自由しないな」と思ったんですけど、あれは間違えでした。日本人も英語必要です。
 
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テンション高いイギリス人の宴にふう君と混ぜてもらったけど、二人ともあまり英語が出来ず苦戦。世界を目指すなら英語必要だ。
 
 
翌朝は4時起きで空港に向かい、帰国の途に就くのでした。
(ちなみに、晩ご飯で食べた何かで食あたりしたのは内緒で。。。)
 
本当に今回の遠征楽しかったし、勉強になりました。準備段階からご尽力頂いた皆様に感謝申し上げます。
もう35歳の選手としては明らかに折り返し地点過ぎたオッサンですが、非常に学ぶことが多かったです。
今シーズン、走りでお返ししていけたらと思いますので、期待して見ていて下さい。