A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

野辺山シクロクロス

野辺山シクロクロス2連戦行ってきました。
昨年は長女出産直前と言うことで欠場。今年は幕張のレースなどで手ごたえを感じる走りが出来たのでかなり楽しみにして会場へ。
しかし、全日本に次ぐ、この国内シクロクロスの一大イベントはそんなに甘いものではなかった。。。
 
 
1129() 1日目
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SNELのつんさんの車に同乗。
会場着いたら雨で寒い。消耗を避けるためにBOMAの機材車で待機させてもらいかなり助かった。
 
雨が上がって試走が始まったが、泥が半端ない。さらに試走時間内でも周回を重ねるごとにどんどん状況が悪くなっていく。恐らくエリート男子のスタート時は最悪な状況になっているはず。
 
ちなみに機材に関しては、タイヤはビットリアのマッド用タイヤXMとXLを使用。
初日の泥は水分が多く、泥の下の地面は硬めなので、こう言う泥でグリップするタイヤが威力を発揮する。
 
いよいよスタート。
35番スタートなのでオープニングラップからポジションを上げていきたい所だが、ドロでラインが少なく、なかなか上がれず。
そのせいで焦って、攻めどころの舗装路で落車。
舗装路の登りに入っていく左コーナーで、一番理想的なラインは泥が乗って滑り易くなっていたのに、そこをフルスピードで抜けようとしてやってしまった。
そこからはまたポジションアップを目指して頑張るも、なかなかポジションアップが進まない。
そして、メイン会場部分の泥の折り返しが続く区間は渋滞気味でペース上がらず。
それでも2周を過ぎると隊列も少し落ち着いたのでここからペースを上げようと踏み直す。ただ、本人はペースを上げたつもりでも、たぶんそんなに上がって無かったんだろうな。悪い時って力走してるつもりでも遅い。そう言う感じだった。
 
そんなこんなをやっていたらペースが掴めないまま80%ルールでラップアウト。
-5ラップの33位。
うまくリズムを作れず、全然ペースを上げられないまま終わってしまった。
反省点も有り過ぎると何が反省点か分からないもんだな。。。
 
 
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しかし、翌日もレースがある。
ここでやれることを言えば翌日から実行できる反省点を探ることと、体を休めて疲れを取ることくらい。
宿に帰ってからは早く寝るためにやるべきことをスムーズに行う。ドロドロになったシューズやウェア類も翌日も使えるように洗い、傷の手当てをして、翌日の作戦を考えて寝ることくらい。
 
かなりの労力だったがウェア類をなんとか洗い、落車の擦過傷は薬局が近くに無いのでサランラップでとりあえず代用。汁漏れ凄いが、とにかく翌日も脚を動かせるようにすることが最優先。
 
そして反省。
反省点:
オープニングラップの位置取り争い⇒可もなく不可もなく。もう少し上がりたいのが本音だけど、殆どライン無かった。
スタート順⇒確かに後ろで不利。しかしこればっかりは致し方ない。イヤならもっとレース出て成績を出すしかないし、もう遅い。。。
ペースメイク⇒ガタガタだった。前後の選手と合わせてしまい自分の持ち味を出せなかった。それにどこを攻めて、どこを休むかの見極めが出来なかった。
乗車率⇒ランへ減らして極力自転車に乗るようにしたが、泥区間は自転車乗ってもそんなに速くないし、ランと同じくらい消耗した。それでも乗車率は高い方が良いと信じて乗る努力をしたが、降ろされてからレースを見ていたら自分が自転車に乗ってタラタラと走っていた区間を、3位のカズサンはランできびきびこなしてトータルタイムを削っていた。はやり失敗だったか。。。
泥対応⇒前後の選手と比べればそん色なかったが、もっと前で走ってる選手と比べた相当遅いはず。
 
そんな感じで色々出てくるが、もうこういう時は本人の判断力は鈍っているから諏訪さんにアドバイスをもらう。
そうして色々話をし、まずは舗装路の登りをもっとペースアップすることに。確かにそれが翌日でも出来る最も手っ取り早いタイムアップの方法だ。
そんな感じで翌日の立て直しを目指して早目の就寝。
 
 
1130() 2日目
 
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前日は少々寒くて眠りが浅かったように感じるが、その分休む時間はたっぷり取れたので体調的には悪くない。
 
この日もお昼から試走。
大方の予想通り、泥は乾き始めているが粘度が増してバイクに纏わりつく。
試走1周目でリアディレイラーから「カチン」と言う音がしたので慌てて停めて泥を落とし再スタート。
これで事なきを得たかと思ったが、なぜか舗装路の登りを走っている最中に再びチェーンジャムが起こりリア破損。
カートリッジのリアエンドが壊れたが、BOMAのリアエンドは変速機に負担をかけることなく破損するようにできているので、ディレイラーは無事。そのお陰でエンド交換だけですぐにレースに使用できるようになった。
 
そして、試走中にずっと試していたのが、フェンスを掴んでコンパクトに曲がること。よくワールドカップとかでネイスなんかがやってるあれです。
メイン会場の泥区間は乗ろうと思えば乗れるけど、どうしても切り返しが多くて遅くなる。
そこで、切り返しはフェンスを掴んでグイッと曲がることによってペースを上げようと思った。
とは言え、ワールドカップみたいなガチの鉄柵と違い、ただの杭ではもろに体重を預けることは出来ない。
それでもイン側を曲がる際のきっかけ作りにはなるし、試走では上手くいっていた。だから本番でも同じ方法を選んだけど。。。
 
試走後のマシンメンテナンスで仕事を増やしてしまい、サポートの方々には負担をかけてしまったけど、なんとか万全な状態でスタートを迎えられた。あとは昨日より良い走りがしたい。
 
そんな感じでスタート。
1コーナーの突込み。左コーナーに向けてみんな右に振るところで、宮沢選手が左端からトップスピードで突っ込んで来て、そのままイン側をこじ開けて抜けて行った。
少々手荒だが、さすがに上手い。
そして、宮沢選手がこじ開けたイン側のラインが残っていたので、自分もそこを通す。
 
そんな感じでオープニングラップはボチボチ。
そしていよいよ舗装路の登りへ。ここでガッツリ踏み、まだ選手密集していることもあり10人くらい抜いた。
「よし、今日はこの作戦だ」
 
昨日何も良い所がなく、精神的にも沈んでいたが、ちょっと光が刺した感じ。
実際、ここ以外はずっと少ないラインを渋滞しながら進む展開で、ポジションを上げるにはいちばん手っ取り早いと思う。
 
しかし、ひとつ誤算が。
試走の時にあれだけチェックした杭を掴んでイン側を曲がる走り方が上手くいかない。泥にハンドルを取られて落車することが多く、成功率が低い。
たまに成功するものだから、懲りずにトライして10回くらい転んでしまった。
単純計算で1度の落車で6秒ロスすれば10階で1分。切り替えるべきだったのに完全に冷静さを欠いていた。そんなミスがたたり、登りで多少挽回しても順位を下げる一方で、結局-4ラップ38位で終了。ミスが目立ち前日より後方に沈んでしまった。
 
 
もうこの2日間のことをなんとまとめて良いか分からないです。
野辺山のコースは速く走るための色んなスキルが問われて、本当に強くて総合力のある選手が順当に上位に入る。そんなコースで、もう少し上を狙えると思っていたのに、厳しい現実を突き付けられました。
反省点が多過ぎるのと、サポートして頂いた方に申し訳ないのと。。。
 
こんな泥レースは金沢でやった全日本選手権以来。
あの時は半周ごとにバイク交換だったけど、今回も毎周回バイク交換。
自分もレース後にUCIレース専用の高圧洗浄機に並んだけど、待ち時間が本当に長い。あの中で数分でマシンを洗浄し、毎周回バイク交換してくれたピットサポートの方の労力を考えると、本当に申し訳ない限りで、何とか全日本ではもっとしっかり走りたいなと思います。
 
 
さて、これから全日本までの2週間どうしましょうかね
 
残念ながら泥レースになったら苦戦することは認めざるを得ないけど、全日本も天候次第では当然泥レースになるので、苦手とか言っていられません。しかし、短期間でテクニック面を向上させるのは少々難しいので、自分は今まで通りロード練習でフィジカルを高めることに専念し、全日本に臨みたいと思います。
この週末のレースも体力的には上がってない感じだったので、2週間でも今よりコンディション上がると思います。
そして、体力的に余裕が出てくれた、多少はマシンをぶん回して強引に走しることのできるので、今はそれを目指します。
うちのチーム、エリート男子は自分しか出ないんで、なんとか頑張りたいと思います。