A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

中国遠征(2015 Qiansen Trophy Cyclocross)・第1レースin北京(8/30)

830() 
いよいよ北京でのレース。

今回の自分の目標は
まず最低限の目標は完走(ボスマンスやシャネールにラップされない)
あわゆくば賞金ゲット(25位以内。去年は30位まで出たが、今年はハードル上がりました)
さらにあわゆくば、UCIポイントゲット(15位以内)
 と言う感じ。

去年、メカトラでだいぶロスして完走出来なかったから、今年は最低限、完走はしたい
と言うか、今年も完走出来なかったら日本に帰れません。。。
そして、完走がだいたい30人前後になるから、ちょっと頑張れば25位以内で賞金ゲットって言うのも見えてくる。ここまでが現実的な目標。
出来れば15位以内に入ってUCIポイントを取りたいが、これはかなり高めの目標。しかし、頑張ってポイント取りたい。
 
去年は緊張のあまり、前夜は眠れなったし、朝ごはんも昼ごはんも殆ど食べられなかった。
今年はリラックスして、朝ごはんも昼ごはんも程よく食べて準備万端。良い状態です。
まあ、今年は自転車通勤の頻度を増やし、距離乗り込んでいるので、去年より走れる自信があります。
 
12:30からの直前試走に合わせてホテルを出る。
ホテルから会場までは5kmくらいなので、基本的に自転車移動。ちょうど良いアップとダウンになる。
天気は曇り、暑くもなく・寒くもなく、走り易い感じ。
 
試走後はUCIの女子のレースからスタート。
去年の女子優勝のエレン・バンロイほどのインパクトは無いけど、それでもトップ集団の選手は走り方が完全に男子だ。やはり世界は凄い。
そんな中レディ・ゴー・ジャパンの二人も頑張っている。むつみさんはトップと同一周回で完走していた。
 
そして次は自分の番。
スタートは去年よりマシだけど相変わらず後ろの方から。
このレースはトップの数名は異常にレベル高いけど、逆に下の方の数名はかなり遅い選手がチラホラ。。。
後方スタートだとこう言う中途半端な選手を早めにパスして上がれるかがポイントになる。
 
後方ながら、中央のラインに陣取り、いよいよスタート!
しかし、、前のやつが遅い。ハズレを引いてしまいましたね。。。
そんな感じでスタートでやや出遅れるものの、階段区間など渋滞している所で抜き返し、1周目は30番前後で終える。当然、この位置では全然ダメ。遅い奴らに囲まれてじれる。
さらにポジションアップを図ろうとするが、中途半端なスピードで走る4人くらいのパックに捕まってしまう。これに手間取っている間にUCIポイント圏内の十数名くらいの大きなパックとの差が広がっていってしまう。結局、手が届きそうだったこの大きなパックを逃してしまい、単走で落ちてきた人をパスしながらのレースになる。
 
そして、まだレース序盤だと言うのに、フライオーバーを通過している時に、下をトップのボスマンが通過して行った。「もうここまで来ているのか、マジでヤバいな」
「完走が目標」なんて言うとレベル低そうですが、ボスマンスが居るんで、完走だって簡単じゃないですよ。。。

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結局、レースは殆ど単走で走ることに。平坦なのでパックの方が有利だが仕方ない。独りでガンガン踏む。(写真提供:あべま氏)
 

中盤戦。
レース中、ずっとむつみさんがピット前を通過する時に順位を言ってくれていて、これが凄く参考になった。
特に25位まで浮上した時は25位。賞金取れるよ!」と言われた。やった~!時給50ユーロ。
 
中盤はずっと、十数秒前にクルセンブルクの選手。そして十数秒後ろにスコットの松本選手と言う状況。
松本選手とはずっと同じような差で推移しているので、一旦待って協力しようかとも考えたが、完走ギリギリラインを走っている時に、なかなか後ろを待つわけにもいかず、また、待ったところで、ロード選手とマウンテンバイカーでは速い所が違うので上手くかみ合わない可能性もあるので、結局、協調は断念。
 
前にいるルクセンブルクの選手は少しずつ差を詰めているものの、なかなか手が届きそうで届かない。直線の伸びは自分の方があるけど、登りなどパワーの必要な区間で差が開くからなかなか捕まえられない。
 
そしてラスト3周。
ルクセンブルクの選手と前から落ちてきた2名を合わせた3名のパックにやっと追い付いた。とは言え、単独で追い付けるくらいのパックだからあまりペースが上がっていない。このままだと完走が危ういので、ラスト2周に入っていくホームストレートで一気に先頭に出て、ペースアップを図る。
そうすると、ラトビアの選手だけが後ろに付いてきた。
実はこのラトビア人、3人のパックで走っている時も全然前に出なかった付き位置くん。二人になってからも、先頭交代を要求しても出てこない。
まったく、困ったさんだ。。。
しかし、このラトビア人と下手な駆け引きしてペースを落とせば、ボスマンスに追い付かれて完走すら出来ない可能性がある。最後にこのラトビア人はきっとアタックをかけてくる。けど、ここは一旦、22位・23位の争いは捨てて先頭をガンガン引いてペースを上げる。
 
いよいよラスト周回に突入。
完走は確定。
案の定、ラトビア人が予定通り登りでアタックかけてきたが予定通り反応出来なかった。まあ、仕方がない。。。
そんな感じで23位でフィニッシュ。UCIポイントは取れなかったが、賞金50ユーロゲット。完走も出来たしホッとした。

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最終周回に入っていくところ。完全に後ろのラトビア人がアタックのタイミングを狙っています。(写真提供:あべま氏)

 
松本選手も25位で賞金ゲット。
そして途中まで自分の前にいたルクセンブルクの選手は落車でペースを落とし、26位で最終完走。
26人しか完走できないなんて、去年に比べて完走率下がりましたね。
にしても、このルクセンブルクの選手、せっかく完走したのに一人だけ賞金もらえないなんて、可哀そう。。。
 
松本選手と
26位の選手って、完走したのに独りだけ賞金もらえないなんて美味しくないっすね~!
なんて話していた。明日は我が身だとは知らずに。。。

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やっぱ賞金は良い!
 
 
ちょこっとレースの考察
やっぱり国内のレースより、精神的にも肉体的にも限界まで追い込んで走っていると思います。
日本のレースなら、周りも知っている選手なので、このままいくとこうなるななんて感じの予想をしながら走れるけど、今回は異次元の速さを持つベルギー人にラップされないように本当に必死だし、それがいつ迫って来るかも分からない。だから全力だし、精神的にも追い込まれた状態で走っている。
こう言う限界走行を日本国内のレースでも毎回しないといけないですね。やれば出来るんだから。。。
 
ちなみに今回初めてガーミンを装着し心拍データの記録を取ってみたのですが、平均が170最高が181と言う結果に。
シクロクロスは心拍高くなるとは言え、1時間もずっと170拍で走るなんて、アドレナリン出まくりじゃないと絶対無理ですね。
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これが北京のレース中の心拍データ。最後ガクンと落ちているのはゴール後。最後まで全力で踏み続けました。43分くらいから数分間、一度心拍が下がったのは、ちょうど3人パックに追い付いたところか。やはり人の後ろに付いた方が楽だけど、完走ギリギリラインなので、あまり休んでいる訳にはいかなかった。
 
 
そしてタイム差などを見てみると、
トップのボスマンスからは7分差。ヨーロッパのトップ選手から7分差は悪くはないが、タイム差が付きにくい平坦高速コースなので、7分はけっこう大きい。
そして、UCIポイントまでは3分半の差。3分半は大きいなUCIポイントはそう簡単には取れないんだな。
 
 
 
 
そんな感じで賞金ゲットしたレース後。
もはや自分の中では軽くお祝いムード(レベル低くてすいません)
ただでさえご馳走なのに、この日の夕飯はさらに美味しく感じられる。久しぶりに飲むビールが旨い!
(レース直前は酒を控えるのはいつものことですが、今回はさらにレース2ヵ月前からスナック菓子も控えておりました)

この日はテーブルいっぱいの料理の他に、シェフ自ら取り分けます的なコーナーが設けられ、北京ダックも食べ放題。
あ~、北京ダックと青島ビール合うな~!
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レース後は北京ダックパーリィ~。外国人はこれが高級料理と知らないのか、遠慮なくバクバク食べて、アヒルが飛ぶように売れていった(写真提供:あべま氏)

 
もはや、この時点ではハイナン島のレースのことなんて何も考えていません。
事前の情報でハイナン島は自分向きのコースではないと分かっていたので、とにかく北京で結果を出したかったんです。
 
 
そして、夕食後にホテルの外へ繰り出すと、近くの公園でお祭り的なものをやっていて、変な踊りを踊ったり、日本では考えられないくらい異様にスピードが出る子供用のカートに乗ったりと、北京郊外の夜を楽しみました。あ~、めちゃめちゃ楽しかった。
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偶然居合わせた北京のお祭り。これは異様に速い子供用カートに小坂選手と松尾選手が乗っている所。光くんもレース後の変なテンションで、中国超楽し~!と叫んでいた。

 
とは言え、翌日は3時にホテル出発してハイナン島への移動。バイクのパッキングもあり、それなりに切り上げて次戦のハイナン島へ備えるのでありました。