A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

中国遠征(2015 Qiansen Trophy Cyclocross)・ハイナン島への移動と試走(8/31~9/1)

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北京でのレースが終わり、去年までの千森杯ならこれで帰国なのですが、ここから更に移動して、もう1レース戦います。まるでステージレース。
しかも、数百キロくらいの移動なら、移動日翌日にすぐレースが実施出来るんだろうけど、「中国のハワイ」と言われるハイナン島まで3000キロの移動なので、この日は移動オンリー。翌日に試走で、レースは水曜日と随分ゆっくりした日程。
 
そんな大移動なんかせず、その辺でチャチャっと2レース目やってさっさと日本に帰りたい所ですが、2レース走らないと主催者から渡航費が支払われないので仕方ないです。
と言うか、このレース、中国のスポーツ省みたいなところが運営していて、選手の移動費も宿泊費も全部主催者もち。この大移動も、毎日出るご馳走も全部中国の国費から。何ともリッチな大会です。
 
4時にホテルを出発し、2時間弱で北京国際空港に到着、そこから8時過ぎの便に乗る。
機内食で中華粥を食べたかったが、自分の英語力では通用せず、中華粥じゃない方を引き当ててしまう。残念。。。
そんなこんなで、お昼にハイナン島に到着。
 
 
このハイナン島、南岸の三亜はビーチリゾートとして有名。某日本のエースは気合入れて海パン持参。
(まさか、シクロクロスの遠征で海パンが必要になるとは)
しかし残念ながら、僕らのレース会場はガッツリ内陸に入った所で、海から100km離れている。そして、飛行機を降りると、またまた大会側のお迎えがスタンバイしており、僕らはきれいな海を拝むことなく、内陸部へと向かうのでありました。残念だったね光くん。。。
 
 
それにしても、このレースの運営は本当にしっかりしている。
去年は空港にお迎えが来ているだけでも感動してが、もうこちらの感覚の方も麻痺してきて、この程度は当たり前になっていたが、北京の会場には日本に1年留学していたと言う日本語が上手なスタッフもいて、皆、彼に頼りっ放しだった。そして、この日も、選手によって乗る便が違うのに、全部迎えに来てくれるのはもちろん、お昼に着いた日本チームに対しては「ランチはこれからですか?まだなら簡単にホテルで用意します」と空港で言われた。
そして、ホテルに着いてみると、用意されていたご飯がこちら。簡単に用意ってこれですか?
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飛行機の時間の関係でお昼を食べていないと言ったら、こんな感じで昼食を用意してくれた。北京とは違って東南アジアテイストの料理が並ぶ。めちゃめちゃ美味しい。(写真提供:あべま氏)
 
ちなみに、最終日に関しても日本チームのホテル出発が16時だったので、それまでチェックアウトを待ってくれたし、当たり前のように昼食も人数分用意してくれた。
 
 
そして、そして、通された部屋がこちら。
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 こんな部屋、自腹じゃ泊まれません。新婚旅行に来たような気分です。
ちなみに、ルームメイトは妻ではなく、ルームメイトの楓くん。
いつも楓くんとは同じ部屋になるのですが、楓くんが控えめなのもあり、いつもテレビのチャンネルの指導権は自分が握っていますが、それなりに趣味が合うようで、羊のアニメも、カップリング番組も、全部楽しく一緒に見ております。まあ、93日だけは、北京の軍事パレードを見たがる楓くんと軽くチャンネル争いが勃発しましたが、あとは趣味が合う感じ。
特にハイナン島のテレビは凄くて、オンデマンド放送で中国のMTVなんかも観られる。
このMTVがどハマりで、自分も楓くんも台湾の人気歌手の番組をずっと観ていました
(ちなみに楓くんは日本に帰ってからその歌手の曲を早速ダウンロードしたそうな。さすが、ダウンロード世代)
 
 
いや~、最初はビーチじゃないし、仕方なく来たハイナン島ですが、
ここ、めちゃめちゃ良い所です。まさに楽園!
 
もうこの時点では北京のレースも終えて、レース気分30%、観光気分70
午後の昼下がりは、ホテルにあるレイクサイドの喫茶店で、アイスのハイナンコーヒーでまったりとくつろぎのひと時。
もう帰りたくありません。。。
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ホテルにあるレイクサイドな感じのカフェ。ここでまったりとアフタヌーンカフィを頂いているとリゾート気分満点。もはやレースの遠征では無い。。。
 
 
なんて言いつつも、まだハイナン島のレースが残っているので、夕方からバイクを組み立てて試走へ。
しかし、ダイナソーブリッジと言われるフライオーバーで落車。コーナーリングしながらフライオーバーに突っ込んで行くのですが、オーバースピードで突っ込んでスリップ。そのまま3メートルくらい右のお尻でフライオーバーを滑り降りる。熱いよ~痛いよ~。
 
 
そして、夕飯は北京とはちょっと違う、東南アジア風のご馳走に舌鼓を打つのでした。
ケツ痛いけどハイナン島楽しい。
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ハイナン島初日から落車。思えばハイナン島では怪我が多かった。
 
 
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この日は午前中に観光で、午後は前日試走。
 
早速、朝ごはんを食べて観光へ出発。
少数民族の村に行くらしくSmall Villageと言われたのを、Beachと聞き間違え、一瞬テンションが上がったが、海では無く、どんどん山奥へ連れて行かれる。
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少数民族の村に到着。なんかもの凄い歓迎ムード。
  ビーチリゾートでは無かったが、これはこれで楽しかった。
 

ホテルに戻り、ご飯を食べたらいよいよ試走。
ハイナン島のコースは細かいアップダウンと細かいコーナーの連続のジェットコースターのようなコース。路面は硬い赤土で、選手がいくら走ってもワダチが出来ないので結構スリッピー。
ひとまずゆっくり何周かしてコースを覚え、その後徐々にスピードを上げてコーナーを攻めることにする(昨日の落車でビビってる)
 
またボスマンスやシャネールに付きながらの試走を楽しみにしていたが、彼らはどうやら午前中の観光へは行かず、午前中のうちに試走してしまい、午後はお休みだったらしい残念。
 
そこで、北京で4位だったイタリアのマルコビアンコの後ろに付く。
このマルコビアンコ。日本では無名だが、北京ではシムネックに次いで4位になるくらいだからメチャメチャ速い。単独で来ているので、いつも独りなので、イタリア語でボンジョ~ルノと挨拶すると、笑顔でチャオ!と返して来る。
そんなビアンコの後ろに付いて気付いたことは、もちろん速いんだけど、コーナーひとつひとつが異次元に速いわけではないと言うこと。
シクロクロスバイクの限界性能では、このスリッピーなコースではあまり無理は出来ない。それはトップ選手でも一緒だった。
彼らは無理せず、ひとつひとつのコーナーをきれいに繋いでトータルのスピードを上げていた。
だから自分でもとにかく集中して、最速ラインを外さないように繋ぎ続ければ、あまり彼らから遅れずに走れるのではないかと思った。
 
そして、マシンのセッティングもバッチリ合わせられた。
このコースに合わせて、後ろのギアを32Tにしたのだけど、これがベストマッチングだった。
アップダウンが忙しいので、いちいちフロントを変えていられないので、フロントシングルを選択したんだけど、短く急な登りもあるので、いつもより1枚大き目の32Tを付けたらピッタリ。試走中。登り区間は他の選手に対してアドバンテージがあるように感じた。
 
ただ、セッティングの面では残念なことも1つ有った。
それは用意していたリアのマッドタイヤが使えなかったこと。
ハイナン島はスコールが多いのは事前に知っていたので、雨のレースも想定して、マッドタイヤも用意していたんだけど、バルブの不調でリアのマッドタイヤが使えず、結局メインバイクは前後ともノーマルタイヤ、スペアは前輪こそマッドだけど、リアはスリックと言う、雨が降ったら使えないセッティングになってしまった。せっかくマッドを用意したのに、チェックを怠ったせいで使えないとは、つめが甘かった。
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これがダイナソーブリッジ。本番は滑り止めのじゅうたんが敷かれたが、試走中はなかったので、めちゃめちゃスリッピー。上でこけると下まで問答無用で急降下(写真提供:諏訪氏)
 
 
そんな感じで試走は終了。
ハイナン島は厳しい戦いになるが、それでも少しはいけそうな手応えも感じられた。あとは本番を頑張るのみ。
 
そして夜は2度目のウェルカムパーティー3日前にも北京でウェルカムパーティーやったばっかりなんですけどね。もう毎日パーティーピーポーですよ。