A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

2016年は教科書通りにトレーニングするぞ:その3『ペダリングスキル向上』

3月下旬に酷い風邪をひき、治って練習開始した直後に今度は家族旅行等でまた1週間練習を休んだりして、しばらく安定的なトレーニングが出来なかったのですが、やっと最近通常営業でトレーニングが出来るようになってきました。
 
そこで最近、教科書通りの取り組みの中で行っている、ペダリングスキル向上のメニューについて紹介したいと思います。
(まあ、書き出すことによって自分の取り組み状況を再確認する意味も込めて)
 
 
まず、参考にした文献はこちら
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ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト
と言う本。タイトルにナカグロが多過ぎる。。。
 
この本はトレーニングの基本がしっかり書いてあって、なかなか良いんだけど、その名の通り“ベースビルディング”についての話しか書いておらず、基礎期が終わった後はどんな取り組みをすべきか分からないのが玉にきず。続編出るかね。
 まあ、そんな基礎部分についてしっかり書いてあるこの本には、基礎期に取り組むべきペダリングスキル向上のメニューも載っております。
その中で最近取り入れているのが「バック&フォロー」と言う脚の前後の動きを意識したメニューと、「ピストン」と言う脚の上下の動きを意識したメニューです。
 
イメージ 2

 
この図のようにペダリングの円運動を4つに区切ると
前へ下へ後へ上へと言う動きに分かれる。
これをさらに「前後」「上下」と区切ってそれぞれを意識しながらしっかり動かすと言うペダリングドリルです。
結局のところ、ペダリングスキルの向上って言うのは、踏み降ろし主体になっているものをどれだけ円に近い滑らかな動きにしていくかと言う作業だから、こう言う風に4つに区切って動きを意識してみると言うのは凄く良いと思う。やってみると、いかに踏み降ろす以外の動きがおろそかになっていたかに気付かされます。
 
もちろん、こう言うメニューをする時はイオニアペダリングモニターを使うとより効果的。
自分が思っている以上に出来ていなかったことに気付かされるし、動きを意識してやってみても思った以上に引き脚使えていなかったりと、残酷な現実を突きつけられるばかりですが、客観的な指標はとても参考になる。ペダリングモニター使わないでこう言ったペダリング向上メニューをやっても、絶対に自分の思っている以上には向上しないだろうと思う。
 
ちなみに実施方法は、前後をまず3分、イージー2分の後、上下を3分してイージー2分と言う感じ。
自分の場合は自転車通勤の帰り道、公道から多摩川サイクリングロードに入ってからやる感じで。前後・上下それぞれ2セットずつやっています。
 
 
で、どれだけ狙い通りにペダリング出来ているかペダリングモニターのログを取ってみた結果がこちら。
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まず、これが普通のペダリング(この日の全行程の平均ペダリング)
まあ、意識していないとこんなもんですよね。全行程だし。引き脚ゼロ。
 
 
次がバック&フォロー。つまり前後の動きを意識したペダリング
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すげ~微妙。
しかし、もの凄い微差だがノーマルのペダリングと比べてちゃんと前後に脚を運べている。意識していることは伝わってくる。
 
 
そして次がピストン。上下を意識したペダリング
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うわ、パッと見がバック&フォローと大差無い。。。
そして、本人的にはもの凄い引き足を意識しているんだけど、この図ではその努力があまり伝わって来ない。
引き揚げ時に若干ロスが出ている。
 
 
どうでしょうか。
これはペダリングモニター持っている人と持っていない人では見て感じる印象が違うのではないでしょうか。
ペダリング持ってない人は全然出来てないじゃんって印象でしょうね。大差無いんで。
 
けど、ペダリングモニター持ってる人は、自分の感覚ほどきれいにペダリング出来ていないことを知っているから、この小さい差でも、「一応意識したことが出来ている」と、分かる人は分かってくれるような。。。
 
 
とは言え、全行程と比べれば、ペダリング効率が向上しているのは確か。
ペダリング効率だけで言えば46%だったのがペダリングドリルの最中は60%まで上がっているのだから、数パーセントの積み重ねで速く走ろうとしている中で、この差は大きいですね。
 
これを最近はマメにやっているので、普段のペダリングが変化したように感じます。
暖かくなってきて細かい筋肉を意識して使いやすくなったのも相まって、下支点辺りからの動きが少しだけスムーズになった気がするし、信号ダッシュ350Wくらいをキープしている時も、苦しくなってからのペダリングが前より乱れないと思います。
※この辺の主観的な部分もデータで分析出来れば良いんだろうけど、自分にはそこまでの分析スキルが無い。。。
 
ただ、ペダリングスキルの向上は絶対に必要なことだし、その中ではこの「バック&フォロー」「ピストン」は有効なメニューだと思うので、興味ある方はぜひお試しあれ。自分はこの変化を客観的に説明できるよう、分析頑張ってきます。
え、頑張るべきはそこじゃないか。