A-CAP店長(初代シクロクロス最速店長)ムコ 志は空よりも高く

東京あきる野市のA-CAP(AKIRUNO-Cycling Academy Project)の店長。ロード、シクロクロス、マウンテンバイクの3種目で最上級カテゴリーで戦った経験を活かし、情報発信をしております。自称「あきる野の狼」

シクロクロス東京・エリートレース

先週末はシーズン後半の重要レース、って言うか、シクロクロスのお祭りシクロクロス東京でした。
楽しいイベントで、何から書けば良いか分かりません。
 
正直なところ、マキノや野辺山のようなUCIレース、そして全日本選手権はとても重要なレースだけど、それとはチョット違う、緊張感よりワクワク感の方が大きなこのレースこの感じが好きで、毎年ギリギリのところで出場権を取って、砂は苦手なのに楽しみしているレースです。
 
もちろん、出るからには真剣勝負。
全体のレベルが高いので、最下位争いと化しているけど、いつも同じ辺りを走っている面々と熱いバトルを繰り広げるわけです。
そのためにも、今年は初日の「サンドスイッチエンデューロにも出場しました。
 
■初日:サンドスイッチエンデューロ
家のことも色々忙しかったので、試走直前に会場入り。
行き帰りの移動時間の短縮のために、今回は自転車を事前にチームに預けて電車移動。
機材さえなければ、電車移動の方が早いし、安上がりなことが多い。とは言え、実際にこんなことができるのは都内開催のシクロクロス東京ならでは、サクッと会場入り。
 
今回、サンドスイッチエンデューロに出場した目的は前日にレースペースで試走をしたかったのと、表彰台をGETしたかったから。
特に、試走がメインの目的だけど、表彰台もGETしたいから本気モードでレースに挑みます。
そこまでして前日に試走したかった理由は、この大会は試走時間が短いうえに渋滞するから、なかなか良い試走が出来ない上、シングルトラックが意外とトリッキーで試走が重要だから。
別に、試走時間が短いことを文句言ってるのではなく、むしろ逆の発想なんです。
皆、試走時間などの条件は平等。ただ、工夫次第で、前日のレースでコースを走っておけば、幾分か有利になるのではないかと言う目論見。毎年後方スタートで苦労する分、少しでも良い方法があればと、無い頭を使って考えた末での選択です。
 
実際、シングルトラックも砂地も、前日走っておいて良かったと思います。エリートレース当日にはだいぶコースコンディションが変わっていたのは誤算でしたが。
 
そんな感じでサンドスイッチエンデューロのスタートへ。
周りを見れば、ランニングシューズで出ている選手も。
なるほど、そう言うのもアリか
 
最初のランニング。前の方は取れたけど、1位は取れず。元デュアスリートだけど、最近は全然ランの練習してないからしょうがないか。
そして自転車パートに移る。ちょうど國井さんの後ろについて、スイスイ順位を上げて行く。
ランパートで前の方に出ていた人はランニングシューズだった人が多く、シングルトラックは遅い。そりゃそうだ。ビンディングシューズの方が速いに決まってる。
しかし、自転車を降りて砂浜を走る区間では、林の中で抜いたはずのランニングシューズの人に再び抜かされる。
なるほど、こう言う競技だったのか。
予想外にめちゃめちゃしんどいぞエンデューロとは言え、やっぱり勝ちたいから本気モードでやっているので心拍はずっとMAX。相棒の拓海と協力して、序盤の内に順位を上げたが、ここからランニングシューズで参加のチーム砂おぶらお・おやじ朝練クラブと抜きつ抜かれつのデットヒートが始まる。


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サンドスイッチエンデューロはエリート前日の試走も目的の1つ。コースに慣れるまではシングルトラックの走り方がぎこちなかった(写真:後藤氏)



自分も拓海も自転車で抜いてはランで抜かれを繰り返す、しかし、中盤に先頭で自分がバイクパートに入った周回があり、ここが勝負どころだと一気にペースアップ。林の中でタイム差を空けにかかる。一瞬、イイ感じでタイム差が開いたが、ここで自分が痛恨のパンク。木の根っこでやってしまった。
このパンクで振り出しに戻り、また抜きつ抜かれつのデットヒート。しかし、勝負の綾と言うのは難しいもので、自分が勝負をかけに行ってパンクした周回を境に徐々に形勢は不利になり最後は15秒差で負けた。
接戦の末に負けるって、かなり悔しいけど、得意なパートが真逆だったし凄く楽しいバトルが出来ました。
 
そして、何とかもう1つの目的の表彰台GET
残念ながら僕は表彰式に参加出来なかったけど、代わりにピノリがお立ち台に上がりました。
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拓海とピノリが2位の表彰台へ。僕はこの時、裏で手巻きごはん食べてました!(写真:橋本氏)
 
 
 
翌日も有るし、家のことも忙しいので、競技終了後はそそくさと片づけを済ませ、会場で腹ごしらえ。
会場のケータリングを利用することはあまり無いけど、腹減ってたし、ケバブがあまりに美味しそうだったので食べました。
ついでに、ちょうどカテ1のレースがスタートしたところだったので、食べてる間だけ観戦。
美味しいものを食べながら熱いレースを観戦できるのがシクロクロス東京の醍醐味だとは聞いていたけど、こりゃ確かに楽しいぞ
最後までレース見たかったけど、食べ終わったら電車でGO
エンデューロとは言え、レース後に電車で座れないのはなかなかしんどかった。これは誤算だった・・・。
 
 
2日目:エリート男子
いよいよ楽しみにしていた男子エリート。
お客さんも楽しみだろうけど、走るこっちも楽しみだよ!
 
この日は機材の持ち帰りもあるからクルマで会場入り。
そして、試走。
がしかし!
 
砂は前日とコンディションが変化することは想定していたが、シングルトラックも予想以上に変化している。
2日目も色々レースが開催されたので、前日に比べてシングルトラックも地面が削れて、根っこがたくさん出てきている。場所によっては前日と最速ラインが変わっている。
わざわざエンデューロまで出て前日に走った成果が半減…。
 
おまけに、試走に出てわずか3分でパンク。
実は、昨日のレース中のパンクもそうだったんだけど、砂のために自分のテクニックのギリギリまで空気圧を下げて走っていたので、パンクリスクは上がっていた。
とは言え、エリートの本番前に砂にマッチするダイヤ目のXNタイヤを前後パンクさせてしまった・・・。
(※ここ数年、ダイヤ目で本番を走ろうと思って準備をしたものの、雨で使えず。今年はせっかくドライだったのに、使う前にパンクさせてしまうと言う縁の無さ)
 
 
そんな試走を終え、アップをしていよいよスタート。
 
自分は一番後ろの列からスタート。まあ、実力通り。そして、後ろの2列以外は皆UCIポイントを持っていると言うハイレベルっぷり。後ろは後ろの勝負があり、トップ選手の邪魔にならないようにしつつ、1つでも上の順位を目指すのが今日の目標。
 
最初の砂で案の定落車&渋滞。


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エリート1周目の渋滞。後方はケンカにならない程度に激しい位置取り合戦が勃発。そして位置取り合戦に完敗(写真:井上氏)



最後尾ですからバッチリとトバッチリを食らいます。落車した選手を避けたものの、コーナーの外へ追いやられ、誰も走って無さそうな、重たい砂にハマり苦戦。そんなこんなしていたら、落車していたはずの選手にすら交わされて、気付いたら今年も1周目は最下位。これは仕方ない。ここから少しでも上げて行こう。


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位置取り争いに完全に負けて、後ろから追走開始。レースが落ち着いてから1人ずつ抜いていけるよう、周りがランでも極力乗車して脚を貯める(写真:岡元氏)


 
 
そして中盤戦。
何人かは抜いて、手が届きそうな所に何人も集まるパックがあるがなかなか捕まらない状況。
そうこうしていると、早くもスティーブ・シェネルが後ろから迫ってきて、周回遅れになる。
 
砂の直線で後ろからシェネルがモトクロスバイクみたいなスピードで迫ってきてビビる。
自分は4人パックの最後尾にいたが、
もうシェネル来たぞ。やべ~速いぞ!
と言うと、4人いっせいにレコードラインを外して通過を待つ。まるで、救急車が来た時にクルマが道を空けるように。
 
その脇をシェネルが異次元のスピードで抜いていく。
しかも、超余裕そうな笑顔でこっちを見ながらヤバ~い!ヤバ~い!と連呼している。
(※実はレース3日前に一緒に走る機会があり、その際に自分がイタリア語のマンマミーアみたいな意味だってヤバ~いって言葉を教えていた)
思わず、レース中なのに爆笑してしまった。あんたの走りが一番ヤバいんだよ。
 
そしてここからは周回遅れメンバーは自分のレースをしつつも、とにかく邪魔にならないことが重要になってくる。
周回遅れはただの障害物。自分たちがコース上にいることで、上位のレースに影響を与えてはならないのだ。
(※周回遅れになってもレースから除外されないのは嬉しいね。さすがに、この短いコースで80%ルール適応するわけにはいかないだろうけど)
 
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後ろを気にしつつも、自分のレースを進める、今年は自分なりに乗車率高め(写真:岡元氏)


そんな感じで自分のレースは進む。トップ選手に抜かれた際に後ろに着くと、シングルトラックは一緒に走れる。だけど、砂区間に入った途端においていかれる。ものすごいスピード差だ。自分も今年は例年になく砂の乗車率が高く「俺も少しは砂が上手くなったかな」なんて思ったりもしたけど、もっと砂を速く走れないと意味無いな。
 
 
結局、シェネルには2回抜かれた。
抜かれ際に何か学べればと思っていたが、速過ぎて何も見えなかった。この辺についてはおいおい動画見て勉強しよう。
 
 
そしてゴール。
レースナンバー3231。やはり実力通りって感じか。


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このレースは海をバックに絵になるレースだな(photo:(c)gg_kasai)
 
それにしても楽しいレースだった。
まだ自分には2レース残ってるけど、シーズン終盤はとにかくこのレースが目標になっているし、目標するだけの甲斐が有るレースだな。
いつもシーズンを通してたくさんの人に応援して頂き、力をもらっているけど、そう言う楽しさが全部詰まっているのがこの大会だな。やはり見る側にも走る側にもシクロクロス東京は最高のレースだな。
 
 
さて、自分はあと2レース残っています。
シーズン序盤に不調だった自分にとって、やっとコンディションが上がってきて、今は大事な時期。あと2つしっかり走って好い成績を残したいと思います。